七年語り1993’s summer diary
1993.06.22. family worries

 

 六月二十二日、曇天

 今日は夏至のパーティがあった。ダリルは厄介な状態なので、置いていった。見送りの時に上機嫌だったのは、これから暫くはパーティに行かないで済むからだろう。父上と母上は「いつになったらダリルはまともな状態になるんだ」とぶつくさ言っていた。
 僕はダリルがまともな状態にないのは通常運営だと思っているので、別に気にならないが、父上と母上はダリルをパーティに引きずり出したいらしい。どうも母上はダリルの結婚相手に同世代の男子を選ぶ気が失せたようで、「十歳ぐらい上なら丁度でしょう」なんて澄ましている。大方ダリルがウィーズリーの双子と“やらかしている”ことを知らない男を騙して、嫁がせる気でいるのだろう。
 女に産まれなくて良かった。僕は嫡男だから、まだダリルよりは自由に結婚相手を選べる。まあ、如何でも良いから父上と母上に決めてもらおう。しかし二十三歳の年よりに娘を嫁がせるのは、親として嫌ではないのだろうか。僕はそんな義理の弟は要らない。
 せめて義理の弟は僕と同世代であってほしいと思ったが、ノットと会って無理だろうなと思った。ノットの父親は父上に会うなり「娘さんは如何した」と聞き、ノットは僕の耳元へ酷く嫌そうに「父さんは僕をお前んとこの妹と婚約させたいらしい」と呻いた。
 僕の周囲でダリルを嫌う奴は何もノットだけではない。殆ど全員と言っていいぐらいだ。
 一年の頃はそうでもなかったが、ダリルがウィーズリーと親しくするようになってから、同寮生達からダリルについて聞かれたり、紹介してくれと言われることが減った。スクイブだと知れてからは一層だ。代わりに「気が強いほうが、屈服させて楽しい」とかほざく馬鹿げた輩がダリルについて好き勝手話しているのを耳にする頻度が上がった。やはりダリルはジジイに嫁いだほうが良いのかもしれない。

 確かにダリルはウィーズリーやらポッターなんぞと親しくしているが、名門マルフォイ家に生まれた魔女だ。家柄の低い馬鹿どもに見くびられていいはずがない。ジジイや馬鹿に嫁ぐぐらいなら、嫁になんて行かなくていい。

 僕の心配など全く知らないダリルは、僕が帰宅するなり「マグルって凄いのねえ」なんてとんでもないことを言っていた。
 なんでもグレンジャーの家に、これ以上書きたくない。頭が痛い。そんな穢れた血なんかにかまけているから、お前に興味を持つ男が碌でもない奴ばかりになるんだ。普段は僕に穢れた血のことについて話さないダリルだが、いたく興奮して僕たちがパーティに行っている間のことをベラベラ喋ってきた。僕が父上にバラしたら今度こそ退学させられるだろうに、本物の馬鹿だ。
 認めたくもないし理解したくもないが、ダリルは今日グレンジャーの家(恐らく洞窟のようなもの)を訪ねて来たらしい。馬鹿か。
 あいつは僕を心配死させるつもりなのかもしれない。
 

family worries

 
 


七年語り1993’s summer diary