七年語り – EXTRA STORY
単なる悪夢でしかないもの

 

「昨日、夢に出てこなかったわよね」
「君が少しは頭を休ませろって言ったんだろ」
「貴方の夢を見たわ」
「――へえ。夢は願望の表れとも言うけど、君そんなに、」
「ハリーと楽しそうにお喋りしてた」
「何だって?」
「ハリーとブランコに二人乗りしてたの。それで、私が構ってって言っても貴方達はこのブランコは二人乗りだから駄目とか意地悪言って、私ずーっと独りぼっちだったわ。その間貴方とハリーはシーソーで遊んだり、お花の冠を作り合って、交換っこし、」
「それ以上口にするなら首をへし折るよ」
「何よ! あんなに楽しそうにしてた癖に!」
「誰がいつそんな気色悪いことをしたいだなんて望んだっていうんだ。君が勝手に見ただけだろう。所詮夢なんて無意味なものだよ」
「ついさっき願望の表れって言ったじゃない。私、ハリーとトムに仲良くなって貰いたいのかしら」
「残念ながら永遠に有りえないことだ」
「仲良くなって貰って……私のこと除け者にしてほしいの……?」
「さあ……」
「トム、私とハリーどっちが好き?」
「どっちも嫌だ」
「私の方が好きでしょ!」
「鬱陶しいから纏わりつかないでくれる」
「ね? 私のほうがハリーより好きでしょ? ねえってば」
「わかった。君の言うとおりだよ。だからしがみ付くな。ローブにしわが出来る」
「何よ、しわなんて魔法ですぐじゃない」
「君がベタベタひっつくと暑苦しいんだよ。聞いてる?」
「トム、ハリーと仲良くなっても私のこと除け者にしちゃ駄目よ。それに、ハリーと仲良くなったのは私のほうが先ですからね」
「……は?」
「ハリーは私の友達なのよ! 取っちゃ駄目! なんで貴方がハリーとブランコに乗って、私が傍で見てないといけないのよ!!」
「何を言っているのか意味が分からないんだけど」
「だって、二人乗りだから駄目だなんて酷い! トムとハリーで私を取り合うのが筋でしょう! なんで私が除け者なの? トムがハリーのこと盗ったんだわ!! 私の方が先にハリーと仲良くなったのに、私のほうがトムとの付き合いが長いのに!」
「放置しても一緒にいても君が面倒臭いってことはよくわかった。黙れ」
「……構ってって言ったら構ってくれる? 除け者にしない?」
「黙れって言ったんだけど、鼓膜でも破裂した? それとも頭?」
「答えてくれたら黙るわ」
「本当だね? 本当に、答えたら黙るね? その騒音を仕舞うって約束したからね?」

「するし、しないよ」

「トム、大好き!」
「な」
「そうよね! 私のほうが長い付き合いだもの、絶対にそうよ! ハリーもきっとそうだって言ってくれいたいいたいいたい、痛いっ」
「ああ、ごめん。ゴミだと思った」
「人の耳をゴミって、如何いう意味よ!」
「ゴミは耳だけじゃなくて頭全体だったね」
「な、何? 何で? 何でそんなに怒ってるの?」
 

単なる悪夢でしかないもの

 
 


七年語り – EXTRA STORY