ひととせめのはなしは序幕、
届くはずのない入学許可証に導かれて、少女はホグワーツへ足を踏み入れた。
PHILOSOPHER’S STONE
01 手紙の主
きらりきらり華やかな室に灯るランプはあたたかな色を照らしている。
02 眠るマリオネット
父親の望む、何も知らない無邪気な自分でいたいと望んだ。
03 女王の条件
嘘ばっかり、お姫様のようでも、素敵でもないじゃない。
04 騎士の条件
突然の言葉に返すべき言葉が浮かばなかった。
05 姫君の条件
それでどんな悩みがあると言うのか。何が不満だと言うのか。
06 王族の証は胸に飼う蛇
今ここで気絶してしまいたい。
07 肋骨の持ち主
彼女は誰より幸せな少女だったはずだ。
08 岐路
ローブと杖を貸せ! 何がマグルに溶け込めだ――あの、薄汚いマグル被れめ!!
09 光射す
どれも親切な申し出だったが、何もできない子供扱いされるのは気づまりだった。
10 満ちる杯を呷る
ナルシッサのことでぶちぶち言う兄ではない。
11 宿るのは勇気の欠片
彼女の入学を祝う歓声が鳴り響く。
12 つづれび
とても有意義な使い方をしたと、思う。
13 淵に沈む
これ以上家の恥にならぬ内に、死んでしまいたい。
14 忘れられた子供
彼と同じ環境に生まれ、同じ選択をした。
15 飛ぶ子供
魔力は欠片も示されなかった。
16 友への手紙
また手紙待ってます。友情を込めて、ハリー。
17 扉越しの伝言
じんとハーマイオニーの泣き声が耳を震わせた。
18 他人への伝言
愛を込めて、どこかの誰かより。
19 開かない
子猫のような甘えを口にする娘に、ルシウスは寝台に腰を落ち着けた。
20 英雄という名の孤独
心から二人が心配と書いてある顔だ。
21 望んだもの
やったらやりかえされる。人を呪わば穴二つ。
22 クリスマスへ向けて
ここで大事なものを培っていって欲しい。
23 純白の愚かさ
チカっと、また視界に光るものが入り込んでいた。
24 団らんの予定
何より、他の屋敷僕妖精と比べて感情が豊かだ。
25 凍らない水
魔法使いにだって何でも出来るわけじゃない。
26 魔法はどこにもいなかった
家柄様々と言った感じだ。
27 雪解け
世界の理が狂っているとしか思えない。
28 少女たちは等しく、
小さい頃からドラコドラコと大騒ぎ。
29 六十九億人ぼっち
離れていくのは自分のほうだ。
30 許されなかったもの
決して抗えることのない呪い。
31 茂みからはみ出た秘密
息をするのも忘れてしまうほどハリーの動きは鮮やかだった。
32 好奇心は鼠を殺さない
ヴォルデモートも、リリーも、まだ生きていた頃だ。
33 絶望より酷いこと
先に自分の殻に閉じこもったのは自分だ。
34 不在の理由
インペリオ、服従せよ。
35 教師のままで死んだ人
涙の道が幾重にも別れ、視界に膜が張る。
36 もう一度はじまる
笑いながら、また泣いていた。
37 グリフィンドール寮の生徒
長い夏季休暇が始まる。
私、ホグワーツへ行く。ドラコ、貴方と一緒に、ホグワーツへ行くわ。必ず行くわ。そしてやり直すの。
あれは十一歳の夏のこと、未だ指先の凹凸と溝が織り成す希望を憶えている。
私の手紙。私のホグワーツ。私の学生時代。二度と、やり直せない、私の少女だった頃。