七年語り1993’s summer diary
1993.06.27. interrogation

 

 六月二十七日、雨

 母上が「そろそろダリルを出そうかしら」と言っていたので、ダリルがこの間母上が大事にしている壷を割って庭に埋めたことを教えてあげた。「ビーターって大変ねえ」とか言いながら、食堂で棍棒を振り回してる時に粉砕したのだ。本物の馬鹿である。僕らは魔法を使えないし、キィーリレルに頼んだら現代美術みたいになってしまったので、ダリルは悩んだ結果その現代美術を庭に埋めて、「あの壷、少し色が暖かすぎて今の時期には合わないようでしたし、倉庫のほうへ仕舞っておきましたわ」なんて適当並べて誤魔化してしまった。
 僕の話を聞いた母上は怒り狂い、ダリルの尋問をしに地下牢へ下りて行った。今更レパロを使っても、現代美術は元の姿には戻らないだろう。母上の嫁入り道具の一つだったという壷の末路を思って、僕はしみじみした気持ちになった。

 部屋に戻ると机の上に手紙があった。ポッターとグレンジャーとウィーズリー、そういうのは、まあ、放っておこう。見ても僕が不愉快になるだけで、目新しい情報は何もないだろうしな。大事なのはディゴリーからの手紙だけだ。そしてこの一ヵ月で三十通弱も送ってきているのは伊達ではないと言うべきか、ディゴリーからの手紙はバッチリ存在していた。こいつ、ダリルと手紙のやり取りする以外に何もしていないんだろうか。手紙には、いつもの愛の囁き(地下牢に入っている間ダリルからの手紙が届いていないからか、愛の囁きが普段の五割増しになっていた。どんなに愛を囁いても、結局読むのは僕だ)と共に住所が書いてあった。ちょろい。

 母上が地下牢から戻ってくると、父上が地下牢へ下りて行った。「誰か特定の男子と親しくしているのではあるまいな」とか何とか叫ぶ父上の声と、「私はまだ十三です! お父様ったら、不潔だわ!!」とか叫び返すダリルの声が聞こえる。
 僕は屋敷僕妖精が庭を掘るのを見守っている母上に、明日出かける旨を伝えておいた。
 

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