※夢主=セドリックの4つ下、ハッフルパフ生
十一歳から見た十五歳は、とっても大人だ。人を安心させるような笑顔で、着いてきて、そう呼びかける姿は、威厳があったけれど、ちっとも怖くなかった。
柔和な表情、優しい声音。
ちびっ子である一年生達から見て、まさに模範だった。
それに何よりハンサムだ。
ナマエは夢中で、忘れ去っていた。
困るのは、次の日になってからだった。
授業が始まる。忘れ物に気づく。戻ってくる。ここでやっとナマエはボケっとしていたしっぺ返しを食らうことになる。
寮の入り方が、分からない。
昨日は監督生の人が樽を叩いて――ほら、この順番で叩くんだよ――うわあ、格好いいなあ。ナマエの頭に焼き付いてるのは、セドリックばっかりで、樽なんかちっとも見ていなかった。これは情けない。
ええいままよ。適当にナマエは樽を叩いた。
生徒の安全を護るための大事な機構は当然、そんな者を通すわけがない。
ヘルガ・ハッフルパフ特製の防衛システムにより酢が噴き付けられた、ナマエ・フィッシュ・アンド・チップス・ミョウジが出来上がりだ。
酢が目に入った。痛い。部屋にも入れない。酢くさい。
肖像画の前でしゃがみ込んでびいびい泣くナマエに、頭上から声が降ってきた。
「どうしたの?」
「ああ、寮に入れなかったんだね」
先に行ってて。→セドリックが助けてくれる、ベタな手助け。
がやがやと数人の声が遠ざかる。まだ目が開けられない。
ハンカチが。差し出された指の輪郭をかろうじて捉える。
涙の中でぼやける。髪の黒、ネクタイの黄色。ハッフルパフカラーが滲み、広がり視界を染める。
ハッフルパフの体現者。あなたの背中はひたすら遠い。
私もハッフルパフに染まれるのだろうか。あなたのようになれるだろうか。
***持って行きたい最後の岐路
→夢主のホグワーツ生活はこれからだ! と希望を見せる打ち切り的エンド(明るめ)
→炎のゴブレットの部分に飛ばしてしめる(シリアス系)
下書きはこんな感じでざくざくやってます。煮るなり焼くなりお好きにどうぞ(`・ω・´)