☆登場人物
志村名前…ダンゾウの姉、マダラ信者
モブ山モブ美…やや腐っているマダラ信者、最近の趣味はマダラ総攻め川柳を詠むこと
モブ川モブ子…腐っていないマダラ信者だったが突如としてヒルゼン夢女になりつつある
うちはマダラ…割りと前に死んだ
千手柱間…ちょっと前に死んだ
千手扉間…毎日瀕死



「あのさあ、確かにうちらは永遠にマダラ様を追っかけてようねって契ったわけではないよ?」
「モブ美、落ち着いて……そんな喧嘩腰で話すことじゃないよね?」
「名前はちょっと黙ってて、なんでって聞いてるだけでしょ? 拷問したわけでもなし」
「じゃあ千本は一旦仕舞おうよ。何さり気なく千本で羊羹つっついてんの……仕舞おう……?」
「ねえ、モブ子聞いてんの? なんかうちらに言うことあるんじゃない?」
「……参り……した……」
「あのさ~~~休みの日ぐらいサツバツとした空気に包まれたくないんだけど~~??」
「マダラ様の墓参りサボってヒルゼンくんと忍具選びに行きましたぁ!! 悪い!?!」
「何急に開き直ってるのか分かんないけど、悪くないわけなくない!!?」
「悪いの? 何、マダラ様のお墓参りって義務だった? ご~め~~ん、てっきり私たち、単にマダラ様が好きで詣でてるんだとばっか思ってた……何モブ美、里抜け願望でもあるわけ?」
「はあ?????? 喧嘩売ってんなら買いますけどお???」
「まあ別に一応墓参り行く行かないは自由意志だけど、二人ともちょっと落ち着こ?」
「いや、つかもう調停者面するなら名前帰れば? はあ……何、その態度……は、ええ……ヒルゼンって……はあ~~? 猿飛のクソガキ? 例え死にかけてても墓参りのが重いでしょ」
「それは医療忍者んとこつれてってやろう……? 流石に墓参りよりは人命のが重いよ」
「それはそうだけど、物の喩えじゃん? いや、まあ、まあね、お墓参りは自由だよ? うちらも単にマダラ様の家の風呂場でカチ合わせただけの……言ってみれば他人なわけだしね? ともだち~とか、同好の士みたいに思ってたのってうちの独りよがりか~ってなっただけだから」
「だからモブ美は何ですぐそう重く考えるわけ? 私たちマダラ様が死んでから何百回何千回墓参り行った? 一回ぐらい行かなくたって良いじゃん!! ヒルゼンくんが『あ、モブ子さんに忍具見立ててほしいです』って言ったんだもん!! そりゃ鷹も飛ばさずすっぽかして悪かったな~って思うけど、良いじゃん!!! だってマダラ様とはもう二度と商店巡りなんか出来ないんだよ?!? 生身の萌えを摂取して何が悪いの??? ヒルゼンくんが可愛いのとマダラ様が凛々しいのは全く無縁で、私は別にヒルゼンくんが可愛いから、じゃあマダラ様はポイでって言ってるわけじゃないよね? それなのにどっちか選べって態度のモブ美のがありえなくない?」
「選べなんて言ってないでしょ? いや、だからさ、もう鷹も飛ばさずすっぽかして、うちが追及するまでゴメンもなしで、そういう態度で『マダラ様のことも好き』って言われても信用出来ないのね? あなた、ヒルゼンに誘われたら今後もこうやってすっぽかすってことでしょ?」
「まあ、マダラ様はもう供給ないもんねえ。フンドシの匂いも薄れてきてしまったし。私的にはヒルゼンは全然趣味じゃないけど、新しい萌えにそそられる気持ちも分からなくないんだよな」
「マダラ様の体臭の再現を頑張れば良いだけの話じゃん!!! 血は一杯用意したでしょ!!!」
「ぶっちゃけ集めてる時から思ったけど、モブ美はあの人の体臭どんだけ返り血に支配されてると思ってんの……? もうちょっとなんか色んな要素が絡み合った末の体臭なんだし、無理では」
「もう、こういうの嫌なの!」
「モブ子……」
「もうさあ!!! 顔付き合わせては、もうマダラ様とっくに死んじゃってるのに、三人でああでもない、こうでもないって話すばっかで、私の頭のなかのマダラ様、本当に私が好きだったマダラ様なのか、それとも三人でこうだったらいいねって話し合った結果の妄想なのかわかんない!!」
「……終末の谷で柱間様と三日三晩アナルセックスしてたのは現実だよね?」
「あんた……扉間様の前でそんなことほざいたら、卑劣な術の実験台にされるよ……?」
「モブ美はそんな話ばっかりするし!!! ずっと前から思ってたけど、私、衆道ムリ!」
「おっと、思ったよりも根が深い」
「は? 今更? 今更言うわけ? じゃあ今までウンウンって笑って聞いてたのは何? ウソ?」
「へ~! 社交辞令と本音の区別もつかないバカに上忍って務まるもんなんだあ?!」
「霧隠れでの隠密任務中に大ポカやって『へい、うちらは不審者でござい!』って喧伝してくれたの誰~~~?? 後輩一人死んでんだよ?? 人死に出しといて開き直れるメンタル~~!!」
「大戦でうちの一族の若い衆死んだのはあんたが伝令ミスしたからでしょうが!!! 何が後輩死んでんだよ~~~なの?? 後輩死んだ直後に逃げ込んだ洞窟で、マダラ様のものっぽい手形見つけてはしゃいでたバカが言う?! ぅゎ尊い……って後輩の死体背負って言う台詞??」
「あれはモブ子もめちゃくちゃ興奮してたじゃん!! てか、任務果たせたのあの手形のおかげでしょ!? もううちら完全にモチベ失せて、ここらで死ぬか~って雰囲気だったよね!?」
「あのさ~~ゴメンでよくない? 連絡せずにすっぽかしてごめんねー! すっぽかされてさみしかったよー! でよくない? そういう話じゃないの……ヒルゼンとかホモとか今関係ある?」
「あるの!!!!!」
「名前もう帰っていいよ!!!」



「……って言われたんだけど、お姉ちゃん悪くないよね?」
「扉間先生の部下は何でこうも馬鹿揃いなんだ?」
「そのさ、何でも二代目の話に持ってくとこアンタの欠点だからね」
「それ以外に如何しろと!? バカ、バカ、バカ、お前ら全員バカだ、死ねって言えとでも?!」
「モブ子とモブ美はバカじゃないでしょ! 暗部と医療班のエリートだろうが!! ようやっとアカデミーを卒業するも子守りに従事するばっかのお前にバカ呼ばわりされる筋合いはないから!」
「はあ!? そもそも抜け忍に傾倒してるバカが里の要とされてる現状が嘆かわしいんだよ!!! しかもお前は、扉間先生の護衛小隊隊長だろ……分不相応が過ぎる、今すぐ死ね」
「実の姉にそういうこと言う? あんたのオシメも変えたし、授乳もしてやったし、離乳食も作ってやった姉にさあ、若気の至りとはいえ『死ね』って言うのは本当にダメでしょ。あんた、そういう性格だからヒルゼン以外に友達いないんだよ。こないだヒルゼンが風邪引いたから集まらないことになったとか言ってたけど、トリフくんとカガミくん二人で組手やってたからね!!」
「……あいつらは、アカデミーの頃から仲良いし、今も同じ班だし、」
「ビワコちゃんとは同じ班なのに仲良くないじゃん」
「あいつはヒルゼンが好きなんだよ! そもそも女と一緒に何しろってんだ、おままごとか?」
「へ~! ダンちゃんゎおねえちゃんとおままごとしたかったでちゅか~?」
「名前は女じゃなくてゴリ、やめろババア!! いってえな、そうやってすぐ暴力に頼って、しかも単純に殴る蹴るじゃなくて間接を極めてくんのがゴリラだってんだよ!!」
「殺されないだけマシでしょ。お姉ちゃんは殺意向けてきた相手は全員殺して良いと思ってっからね。私に殺意を向ける奴は子どもであれ一端の忍者と認めた上で殺す、それが私の忍道だから」
「そういう倫理観のないババアが扉間先生の側近を務めることが可笑しいだろ!?」
「大体ババアババア連呼してるけど、二代目が呑気にあんたの担当上忍やってんのは私らが二代目に見放されてるからでしょうが! 日々『幾ら形ばかり里に帰属してても各自の価値観を統一出来ない限り烏合の衆と大差ない』って、『迷信と我欲混じりの洗脳ではなく、真の教育で育てた子を上に据えなくては隠れ里機構を作った意味がない』って、仕舞いには『お前らは尖兵だ。弟妹に我が子は勿論、甥や姪、赤の他人であれお前たちより一つでも若い者のほうが価値が高い。後の世のために死ね』って堂々と言われる身になってよね? 顔が良い男のことを考えて和むことの何が悪いのよ? うちはマダラは、二代目やあんたと違って私に『死ね』とまでは言わなかったもん!」
「悪かったよ」
「分かれば良い」
「でも、うちはマダラもお前に会ったらやっぱ『死ね』って言うと思う」
「うるさいな!!! 何なの!? 上司は私を駒と言って憚らねえし、友達と思ってた奴らはわけのわかんないことで揉めるし、弟は全然可愛くないし、任務出てたほうがずっと楽しいわ」
「……なんだかんだ言って、お前は里抜けしないんだな。その内すると思ってたのに」
「だから、実の姉にそう言うこと言う? 大体、あんた、私が里抜けしても良いわけ?」
「言いだしっぺはヒルゼンだし、カガミもトリフもコハルもホムラも皆『五年はもたない』って」
「もっと自分の姉を信じよ~~~~~~~~~!?!!」
「うちはマダラのフンドシ枕にして寝るゴリラは信じられねぇよ」
「あっそ!!! でも皆言ってるからね、ヒルゼンとあんたがデキてるって!! あんたがヒルゼンにチンコつっこまれるほうだって、なよなよしてるって言ってるの覚えときなさいよ!!」
「皆じゃねえだろ!!! お前こそモブ子とモブ美以外に友達作れよ、普通の女は年頃になればチンコチンコ言わないんだって、いい加減常識弁えろババア!! 志村の恥なんだよ!!!」
「おじさんたちは皆、私が二代目に引き立てられてて誇らしいって言うも~ん! 残念でしたあ! 大体、知識量も、印を組む速度も、忍術ナシの単純な組手でさえ私に勝てないあんたが偉そうな口利くのは十年早いんだよ!! 明日も明後日も明々後日も、名前ちゃんが扉間せんせえから託された高ランク任務に勤しんでる間、ダンちゃんは精々猫ちゃん探しがんばえー笑!」
「ああ、チクショウ!! すぐにテメエを護衛隊長の座から引きずり降ろしてやるからな!!」

おわり